VORのラジアルとは?FROM・TOとOBSを地図で理解する
読む前に、2問でポイントを確認
予習・復習の目安です。解答は任意で、記録・送信しません。
2問で確かめる(任意・約1分)
各問題を開くと答えと解説を確認できます。自動採点にはJavaScriptが必要です。
Q1.VORの090ラジアル上で局へ向かう場合、線に沿う方向は概ねどちら?
答え:270°、西
ラジアルは局から外向きに名付けられます。090ラジアルは局の東側にあり、インバウンドは西向きです。
Q2.TO表示が示すのは、主に何の関係?
答え:選択したコースと、自機位置から見た局の関係
TOは「現に局へ飛んでいる」という証明ではありません。OBSで選んだコースと位置の関係を示します。
この2問だけで理解全体や実技能力は判定できません。実際の運航判断には使わず、本文の前提・例外も確認してください。
VOR地上局からVHF帯の信号を送り、局から見た磁方位を航空機側で知るための無線航法施設。局を基準にした方位の把握や、選んだコースの飛行に使う。を習い始めると、「090ラジアルVORなどの航法施設から外向きに延びる磁方位の線。機体が局のどちら側にいるかを表す基準で、同じ線上でも局へ向かう飛行と離れる飛行の両方がある。上を西へ飛ぶ」という表現が引っかかる。090なら東へ向かうはずでは? 鍵はラジアルの名前は飛行方向ではなく、局から外向きの方位だという点にある。
ラジアルは局から伸びる線
VOR局を地図の中心に置こう。局から東へ伸びる線が090ラジアル。機体がその線上にあれば、東へ向かっていても西へ向かっていても位置は090ラジアル上だ。進行方向が変わっても、今いる線の名前は変わらない。
| 位置・進行 | ラジアル | 向かうおおよその方向 |
|---|---|---|
| 局の東側から離れる | 090 | 東(アウトバウンド) |
| 局の東側から局へ向かう | 090 | 西(インバウンド) |
「090ラジアルをインバウンド」は、局の東側から局へ向かうので、おおむね270°方向になる。方位の数値をそのまま進行方向と読まない。
OBS、CDI、TO/FROMは役割が違う
OBSVORの表示器で、基準にするコースを選ぶつまみ。CDIの針やTO/FROM表示と組み合わせて使い、選択した数値だけで機首の向きや進行方向は決まらない。(Omni Bearing Selector)は追いたいコースを選ぶつまみ。CDI選択したコースに対する左右のずれを示す航法表示。VORではOBSの設定とTO/FROM表示を合わせて読み、針が中央でも機首方位が正しいとは限らない。(Course Deviation Indicator)は選んだコース線に対する左右のずれを示す。TO/FROMは、その選択したコースを進んだとき局へ向かう側か、局から離れる側かを示す。TOは「今まさに局へ飛んでいる」という証明ではない。表示は選択したコースと自機位置の関係で変わる。
たとえば局の東側で090ラジアル上にいるとする。OBSを090に合わせてCDIが中央なら、一般にFROM側の表示になる。OBSを270に合わせて中央なら、同じ位置でもTO側になる。線は同じでも、選んだコースの向きが逆だからだ。
CDIの針が中央でも、機首方位や風によってコース上を正しく進み続けているとは限らない。局の識別、受信状況、TO/FROM、方位を合わせて見る必要がある。局の直上付近では表示が不安定になることもある。
地図と計器を動かして確かめる
まずOBSを090°にしてFROMを確認し、270°に戻してTOを確認しよう。次に機首方位だけを変え、表示と実際の進行方向を比べてみよう。
INTERACTIVE LESSON
機体をドラッグし、OBSと機首方位を変えてみてください。選んだコースの表示と、実際に局へ近づく・離れる動きの違いが見えます。
オレンジの線は局から機体へのラジアル。水色の破線はOBSで選んだコース線です。
OBS 270°
教育用の模式図です。磁北と地図の北を一致させ、無風・理想的な受信状態を仮定しています。局上空やTO/FROMの境界付近では表示を判定しません。実際の航法・飛行判断には使用しないでください。
紙に描いて確かめる
円の中心にVOR局を書き、東側に機体を一つ置く。局から機体へ矢印を書けば090ラジアル。機体から局への矢印は270°方向だ。この図を描いてから「090ラジアルをインバウンド」「090ラジアルをアウトバウンド」を声に出すと、名前と飛行方向が分離できる。
次は、現在位置のラジアルと目標ラジアルが異なるとき、どうやって目標の線に乗るかを考える。これがインターセプトだ。
参考:FAA Aeronautical Information Manual, Chapter 1, VOR/FAA Pilot’s Handbook of Aeronautical Knowledge, Chapter 16
※操作教材は概念理解用の模式図です。実飛行の操作・点検は使用機の装備資料と教官の指示に従ってください。